【はぎぷー】の似顔絵(にがおえ)!

毎週 火曜・木曜 更新予定【はぎぷー】萩谷尚子(はぎたになおこ)のにがおえ日記です。日々芸能人・有名人・描かせていただいたお客様の似顔絵を掲載します。

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ひとりでやっていくこと、恥をかくこと、そしてアーティストとはだれか(長文)

昨日、似顔絵価格が安いことと、私がどこにも所属しないでいることについて、人と飲みながら話していた。で、なんとなく思っていることを書きます。

今回、はじめて、自分で活動していて、屋根のある現場を貸してもらったんですね。準備しているうちに、自分が甘かった軽く考えてたと気づきました。

私はこの3年間、大手、中小規模の複数個所、他の方が運営している現場に参加させていただいた。で、なんとなく自分だったら、こうするわ!ああするわ!こうするのに!なんて思ってた。ほんとに、不遜で傲慢で、何もわかっていなかったですね。今、それを痛感します。

他人の土俵に乗るのと、自分で漕いでみるのと大違いです。

本当に、この3年間は、人様に甘えて好き勝手なことを言ったり考えていた。この場を借りてお詫びします。ご迷惑おかけして、そして、手の平で甘えさせていただいて、勉強うんとさせていただいてありがとうございました。

たとえば価格ひとつとっても、ここまで悩むとは、と。他店がああだから、いくらにする、ということでは絶対失敗すると思った。

価格が安いことについて。

どう考えても、実店舗でない、アーケードの週一のイベントはあの価格がベストだと思うんです。(今後の状況次第によって変えようとは思います)なぜ、それがベストだと思うのか?自分でもよくわかってなかったんですが、

今朝、トイレで読んでいた日経アソシエで。

クロスカンパニーの石川康晴社長さんのコラム

ある先生は、”サービス創造論”といって、新しいサービスの視点を考える授業をやっています。「笑顔」「機敏性(接客スピード)」「情報源(メニューやPOP=店頭販売などの情報力)」という3つの要素は、客単価が上がれば上がるほど要らなくなるという理論を提唱しています。

…例えば、寿司の名店「すきやばし次郎」では、メニューは要らないし笑顔も要らない。接客スピードも要求されません。一方客単価が低い居酒屋では、スタッフは機敏に動くし、笑顔は絶やさず、店内はメニューだらけになる。

という部分を読んで、合点しました。

似顔絵という仕事は、20年ほど前、私が太秦映画村でちょこっとだけ従事していたとき、そんなに一般的でもないし、さほどの画力(失礼!)も要求されなかった。ちょっと似てるだけでもスゴイスゴイと称賛される、めずらしい一発芸みたいなものでした。どの人も同じようにイベントで描いて、どれも価格は千円前後程度?

しかし、今や、路上からスーパー、商店街、遊園地、高級店舗のウェディングなど、細分化されているんですね。リアル似顔絵から漫画風、アニメ風、超!プリクラ的美化や、アメリカ風の諷刺画の似顔絵など…。インターネット専門に描く人も多い。一方で、イベント専門の席描きをされる人もいる。値段もさまざまなわけなんです。

で、今回、商店街をやってみて思ったことは、上記”サービス創造論”に当てはめると、それは居酒屋に近い。(だから不味かろう安かろうということではないです)祭り露店の似顔絵もそれに近いかも(それはもう少し単価が高いかもしれません)早く描き上げ、描きながら絶えずしゃべり、絶えず笑い、人は入れ替わりひやかし、通る人みんなで場を盛り上げる。

一方で、静な、まさに芸術的な現場もある。すごいアーティストと呼ばれるような似顔絵師さんのいる専門の現場では、確かに、POPは少なく、シンプルで、服装も地味。絵師さんもほとんどしゃべらないで、黙々描いて、一人にかける時間も長く、非常に単価が高い。お客様もそれがいいんですね。で、素晴らしい絵に感動して持ち帰る。

だから、現在私がアーケードでやっていることはただの安売りなのか?と始める前に実は悩んでいたんです。

が、卑下することではなくて、絵を描いて描かれる楽しさで盛り上げる「場」をちゃんと作る。それも真剣にプライドを持って。

そういうのにこの一年は徹したらいいんだ、と思いました。この文章を読んで、気持ちがすっきりまとまりました。

だから、どちらかというと、「場」を作る、その「場」に向いた画風というのがあるのではないかと思います。観光地なら観光地、高級ウェディングなら時間と質もそのように、現代アートならモダンにアバンギャルドに。「場」と、その客層にあった画風にあるのではないかと思う。

商店街には美術館に飾れるような絵は向かないのかもしれない。だから、アーケードでやって売れないからと落ち込む必要は一切ないと思います。

画風がさまざまなように、価値観もひとつではないのです。

私は、席描きを中心にとは考えてない、ネットを収入の主力にして、週数回のライブ席描きを顧客とのコミュニケーションの場所として確保する。それが私に一番あったやり方で、この先、転勤や女性ならではのライフステージの変化に対応できると思ってます。

ネット販売という点についても、一人でやっていくことのメリットデメリットがありますが、そこはまた次の機会に記事にします。

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話が長くなりますが(昔から私のブログ記事はめちゃめちゃ長いです、すいません)

個人で会社を作ってやっているんですが。

私は、今年の2月に、合同会社を立ち上げました。会社といっても、個人事業主と形態はほとんど変わりありません。で、私ごときがなんで会社を、というと、「私ごとき」だからです。まったくもって節税と営業のためです。私に技術と実力があれば、そんなもん作りやしませんって。未熟でバカだから、ハッタリ効かせたいんですよ。今年はじめに、大きな家電会社に営業かけたら、もののみごとに、あしらわれた。思い出すに、ちゃんと登記した会社があったら通ったかも、という雰囲気があったんです。

…私は一人でやりたくてやってるわけではなくてですね

よく、風に吹かれるようにフリーダムな生き方がしたいのよね?なんてポエマーなことを聞かれます。私が外見、いかにも、風来坊で悩みがなさそうな感じがするからでしょうか。(実際あまり悩みはないのですが笑

同年代の中高年の女性なら分かっていただけると思いますが…

色んな事情があるのですわ。

ひとつに、今更ですが、最後の不妊治療にチャレンジしているというのもあります。今朝のNHKニュースでも話題になりましたが、女性が仕事と高度不妊治療と両立するのは非常に困難です。

子供がいたら、30代〜50代の女性はフルタイムでやっていくのは大変です。イクじゃなかった、イクメンだなんてアウラの世界ですよ。男女平等どころでない普通の一般男性だって、今の世の中、仕事やって生活していくだけで大変ですよ。

で、目の前に待ち構える介護。夫の両親は既に80代です。自分の親だって今は元気だけどいつまで足腰しゃんとしているか分かりません。夫はカレンダー通りの休みのサラリーマンで。そうなると、似顔絵師必須の土日祝のイベント参加はほぼ不可能になります。もっとも実入りのいい、ゴールデンウィークの深夜や遠出も不可です。加えて3年以内に、夫の転勤と親族の介護が確実にやってくる。

あと、更年期の問題。同い年の女性には更にウンウンって頷いていただけると思うんですがね。このBBAの身体で不妊治療しつつ、じわじわ更年期も実感します。心身のバランス、リズムは上下する日々。職場に理解を求めるのは間違ってます。

そうなると、限定された働き方の中で、どうやって、絵を描いて収入を得るか、という試行錯誤を今、このとき、トライ&エラーするしかない。で、結局、一人だと小回りが利く、それが一番だとの結論になる。一人なら利益や稼働時間も自分で設定できる。それが一人でやる理由です。それ以上も以下もありません。

孤高にアーティスト魂を発揮する!自分の価値は自分で決める!なんて、そんな恐ろしいこと考えたことありません。

そもそも、技術や画風なんて、一人でやってたらどんとん低下落下後退していくだけです。競争と共存、情報収集の中でしか、成長できないと思います。状況が許すなら、どこかレベルの高い現場に所属して、恥かいて、ガンガン厳しい現場に入って勉強、というのが一番と思います。そこで数年でも、ほんとに真剣に我を忘れて、はまってやる。私が若くて家庭がなければそうすると思う。

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そもそも、私は「アーティスト」という言葉が好きじゃないんです。芸術家とかお世辞言われると全力全身で否定します。だって3年しかまだ似顔絵描いてないし…。

私は和菓子マニアなんで、すぐ和菓子職人さんのことを例えに出すんですが、アートに値する和菓子を作る人は沢山いる。けど、彼らは自分がアートを作るんだ、なんて一切思ってない。相手の事情や家庭環境、心理や季節を考えながら、毎日毎日、無数に餡子を混ぜて日銭をかせぐ、その過程で芸術ができるだけです。

ほんとに、上手い人、「アーティスト」の名前にふさわしい人はいますが、雲の上の人達です。で、彼らは自称するんじゃなくて、回りがその人のことを「アーティスト」と呼ぶから成立してはる。自称じゃなくて他称されて初めて食べていけてる人達のことです。

歌にしろデザインにしろ「私はアーティストだからこうしたいああしたいこうしてよ…私はアーティストとして…」なんて言ってる人見ると、どつきたくなります。

スポーツは諦めとか割り切りがつくんですよ。優劣がつくから。あ〜イチロー見てたら、もう自分はダメだ、とか夢にふんぎりがつく。毎日バットふってても、到底イチローにはなれないな、と。じゃあ自分がこのスポーツの世界で生きていくのは具体的にどうしよう、とか考える。

絵は、スポーツとは違う。主観の世界だから。誰がなんといおうと、自分は芸術だ!と思えば、芸術だから。その妄想は、ある意味墓場まで持っていってもいいわけです。アートってそういうもんなんだもん。

漫画家なんて、そうして、ふんぎりつかなくて、中高年になっても定職につかない人もいます。(私もその部類っちゃその部類ですw)そりゃ、中高年でぱあ〜と花開く人もいますが。私はどう考えても凡人の中凡人です。BBAの凡人が少ない体力時間でどう工夫していくか。

だから、なるたけ、脳が呆けないように恥ずかしい思いをいっぱいしよう、みじめな思いをすることが財産かなあ、と思います。売れなくて涙が出そうな時間こそ財産です。売れた日のことは忘れちゃうけど、恥ずかしい体験、辛い体験ってず〜っと覚えてるじゃないですか。

なので、来月の大会にも参加します。いっぱいすごい、それこそアーティストさんがわんさか来はる。こんな恥のかきがいがある場所を用意してくれた会社さん、組織さんに本当に感謝します。

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【はぎぷー】萩谷尚子の似顔絵(にがおえ)!